- 夏羽では赤いダルマのように見えるチドリ類。
- ■形態
- 雌雄ほぼ同色。
亜種メダイチドリ雄夏羽では頭、側頸、胸がオレンジ色。額の上、眼先、目の周囲が黒い。頭頂及び背から翼、尾羽は褐色。額、喉と、腹から下は白い。喉の白色部と胸のオレンジ色の境に黒線がある。
嘴は太短く黒く、脚は黒褐色。
雌夏羽は全体が淡く、喉と胸の間の黒線が細いか、上明瞭。
冬羽ではオレンジ色と黒色の部分が淡い褐色となる。
幼羽は冬羽に似るが上面は白い羽縁が明瞭で、胸などにバフ味がある。
- ■採餌
- 干潟などでゴカイ類を主に獲る。繁殖地では陸生昆虫を主に獲る。
- ■繁殖
- 日本に渡来する亜種メダイチドリは、海岸近くの砂丘や草原の地上に営巣し、通常3個産卵する。
- ■吊前の由来
- 目が大きく見えることから江戸時代前期より「めだいしぎ《、中期より「めだいちどり《として知られていた。「めだい《「きびしぎ《「かはらすずめ《「みあしちどり《の異吊もある。
- ■亜種
- 5亜種ある。
キルギスタンの天山山脈西部およびパミール高原およびタジキスタンから崑崙山(中国西中央部)で繁殖する亜種メダイチドリ(C.m.pamirensis)、
ヒマラヤ北部およびチベット南部で繁殖する亜種C.m.atrifrons、
チベット東部で繁殖する亜種C.m.schaeferi、
オホーツク海からウスリーランド(シベリア南部)で繁殖する亜種モウコメダイチドリ(C.m.mongolus)、
チュコトスキー半島、カムチャツカ、千島、コマンダー諸島(シベリア東部);で繁殖し、アラスカ西部でも散発的に繁殖する亜種C.m.stegmanni.。
- ■分布
- パミール、シベリア、カムチャッカ等で局地的に繁殖し、西アフリカ、アラビア半島、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラア、ニュージーランドで越冬する。
日本では旅鳥として春と秋に亜種メダイチドリが渡来するが、亜種モウコメダイチドリの記録もある。また南西諸島などではオオメダイチドリに似た亜種C.m.schaeferiと思われる観察例がある。
- ■福岡での事例
- 福岡では旅鳥として海岸、湿地で見られ、和白では越冬個体も。
【室見川】2015年9月、2021年9月に3羽、2023年4月マリナタウン海浜公園で観察。
【今津】2001年9月、2006年5月、2011年10月、2016年9月などに河口干潟で観察。2010年9月浜崎漁港、2020年9月元浜で観察。
【糸島市】2011年9月泉川河口、2011年9月、2016年9月板持にて観察。
【和白】2001年5月、2003年5月、2017年1月などに和白干潟にて観察。2020年10月には雁ノ巣干潟で26羽の記録がある。
【福津市】2013年9月津屋崎海岸で記録がある。
【古賀市】2017年5月花鶴川河口で5羽記録がある。
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