- 鉢巻きのような白い眉班が特徴的なチドリ類。
- ■形態
- 雌雄同色。
夏羽では頭部から背、尾までが灰褐色で、額から後頭にかけて黒褐色の縦斑がある。雨覆等は灰褐色で、淡褐色の羽縁がある。尾羽は灰褐色で先端に黒と白の帯がある。喉は白く、頸は灰褐色で細い黒線と、幅広の白線がある。その下の胸は赤褐色で、腹中央から下腹までは黒い。下尾筒は白い。眉班は白く後頸で合流する。頬も白い。嘴は黒く短く、脚は黄色。
雌の方が腹の色等は鮮やか。
冬羽では腹の赤みがなくなり、淡褐色。眉班などの白い部分も淡褐色になり、全体が淡くなる。
幼羽は冬羽に似るが、上面の雨覆などの黒い軸斑がギザギザのヒイラギ模様で、羽縁とのコントラストが強い。
- ■鳴き声
- 「ピウィッ、ピウィッ、ピウィッ《と鳴く。
- ■行動
- 乾いた環境を好む。
- ■採餌
- 地上を歩きながら、クモや昆虫などの動物質の餌を主に採るが、草の実なども食べる事がある。
- ■繁殖
- ツンドラ地帯の小高いコケの多く生えた場所のコケや草むらの凹みに営巣する。通常3個産卵し、雄だけが抱卵する。抱卵日数は約26日。雛の世話も雄だけが行う。
- ■吊前の由来
- 嘴が小さなチドリ類の意味と思われる。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- 北極沿岸の高地のツンドラ。 ヨーロッパとアジアの温帯の高山地帯。 イギリス諸島北部、スカンジナビア、ロシア北西部(ノバヤゼムリャ及びシベリア北西、北中央部の北の新シベリア諸島を含む)からチュクツキー半島(シベリア北東部)およびアラスカ西部(ベーリング海北部のセントローレンス島を含む)。 ピレネー、アルプス、カルパティア山脈。 カザフスタン北東部、ロシア南中央部、モンゴル北西部および新疆ウイグル自治区(中国北西部)北のアルタイ山脈およびモンゴル北中央、東部の山地で繁殖する。
イベリア半島北東部、アフリカ北部および中東から、イラク南東部およびアラビア半島東部で越冬する。
日本にはまれな旅鳥として全国で記録がある。
- ■福岡での事例
- 福岡でも迷鳥として記録がある。
【和白】1985年5月に記録がある。
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