- 白黒茶のコントラストの綺麗な翼を持った大型のチドリ。
- ■形態
- 雌雄同色。
頭部から喉は青灰色で、背からの上面は灰褐色。初列風切、雨覆が黒く、次列風切と雨覆の一部が白い。上尾筒からは白く、尾羽先端は黒い。嘴は黄色く先端が黒い。虹彩は赤橙でアイリングは黄色。胸は青灰色から茶褐色で、黒色の帯がある。腹から下は白色。脚は長く黄色。
幼鳥は全体に色が鈊く、胸の黒い帯もない。虹彩は暗色。
- ■鳴き声
- 鳴き声は「キキリ、キキリ《「キリリリ《など。
- ■行動
- 非繁殖期は10羽前後から数十羽の群で生活する。
- ■採餌
- 地上で、カエルや昆虫等を捕食する。
- ■繁殖
- 番で縄張りを持ち、地上を浅く掘り窪めて営巣する。産卵期は3~6月で、通常4個産卵する。抱卵日数は27~30日。繁殖時に外敵に襲われた場合、激しく鳴きながら上空を飛び回り、急降下して攻撃するなど、近くで繁殖しているものと集団で追い払う。雛は綿羽が乾くと巣から離れ、親鳥の縄張りないで生活する。雛が外敵に襲われた時は親は偽傷行為をする。
- ■亜種
- 亜種はない。
- ■分布
- モンゴル東部、中国東北部で繁殖し、中国南部インドシナ北部で越冬する。
日本では近畿以東の本州で繁殖し、北部のものは暖地に渡る。最近福岡、佐賀などでも繁殖している例がある。分布の変化の激しい鳥で、戦前は北関東から東北、現在は東海から近畿地方に多く、北関東、東北にも点々と繁殖地がある。
- ■福岡での事例
- 福岡では少ない冬鳥だったが、1980年代後半に古賀市で繁殖が確認されて以来、周辺の市町村へ繁殖範囲を広げている。
【今津】2005年5月田尻、2010年9月桑原、2018年11月、2021年8月学園通りで観察。
【糸島市】2015年8月荻浦、2018年8月泉川河口で観察。
【粕屋町】2005年5月酒殿で観察。
【須恵町】2014年5月相良で営巣の記録がある。
【筑紫野市】2020年3月杉塚で記録がある。
【古賀市】2001年6月今在家で観察。
【宗像市】2007年4月大穂にて繁殖の記録がある。
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