チドリ目
CHARADRIIFORMES
チドリ科
Charadriidae
チドリ属
Charadrius (Linnaeus, 1758)

ハジロコチドリ(羽白小千鳥)
Charadrius hiaticula Linnaeus, 1758  Common Ringed Plover
L19cm
旅鳥または冬鳥
干潟・河口・埋立地
【1】夏羽。亜種C.h.psammodromus。2024.06.09アイスランド、レイキャビクにて撮影。
夏羽では嘴基部のオレンジ色が目立つ小型のチドリ類。
■形態
雌雄ほぼ同色。
夏羽では嘴の上から続く過眼線は黒く、額の白色部の上からの黒い帯と繋がる。頭頂から後頭は灰褐色で、眉斑は白い。喉から、後頸は白く、背から続く黒い帯が、胸で繋がる。背からの上面は灰褐色。風切羽は黒いが、基部が白く、飛翔時明瞭な白い翼帯となる。胸から下は白い。嘴は黄橙色で、先端が黒い。脚は黄橙色。
冬羽では夏羽の黒色部分が黒褐色になり、細くなる。嘴は黒くなるが、基部に黄橙色部分が残るものもいる。
雌は雄の黒色部が淡い。
幼羽は冬羽に似るが、上面にははっきりした淡色の羽縁があり、眉斑は汚白色ではっきりしている。
■鳴き声
「プーイッ」「ピューイ」等と鳴く。
■名前の由来
白い翼帯が目立つことからの命名と思われる。
■亜種
3亜種ある。
北大西洋の北極圏:エルズミア島およびバフィン島 (カナダ北東部、散発的); グリーンランド、アイスランド、フェロー諸島。 およびスバールバル諸島 (ノルウェー)で繁殖する亜種C.h.psammodromus、 温帯および北大西洋地域:イギリス諸島およびフランス北西部からスカンジナビア南部およびバルト三国までで繁殖する亜種C.h.hiaticula、 北極海の海岸、島嶼:スカンジナビア北部からノバヤゼムリャと新シベリア諸島 (ロシア北西部の北、北東部) を含んでチュクチ半島(シベリア北東部)まで、 およびセントローレンス島 (ベーリング海北部; 不安定)で繁殖する亜種ハジロコチドリ(C.h.tundrae)。
■分布
ユーラシア大陸やグリーンランドなどの北極海沿岸で繁殖し、地中海沿岸から中東、アフリカで越冬する。
日本には亜種ハジロコチドリが、数少ない旅鳥または冬鳥として全国に渡来する。
■福岡での事例
福岡では数少ない旅鳥または冬鳥で、和白干潟ではよく越冬する。
【今津】2010年9月浜崎漁港で観察。2012年9月学園通りで観察。
【和白】2004年1月、2007年1月、2010年1月、2018年1月などに干潟で観察。
【福津市】2010年9月勝浦で記録がある。

【2】夏羽。亜種C.h.psammodromus。2024.06.09アイスランド、レイキャビクにて撮影。

【3】趾の間に水掻きはない。夏羽。亜種C.h.psammodromus。2024.06.09アイスランド、レイキャビクにて撮影。

【4】風切羽の木部が白くて目立つ。夏羽。亜種C.h.psammodromus。2024.06.09アイスランド、レイキャビクにて撮影。

【5】冬羽に換羽中。嘴は上嘴基部もまだ黄橙色。2012.09.23福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【6】冬羽に換羽中。2012.09.23福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【7】冬羽に換羽中。2012.09.23福岡県福岡市、今津田尻にて撮影。

【8】趾の間に水掻きはない。冬羽。2005.11.20福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【9】白い翼帯が目立つ。冬羽。2005.11.20福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【10】冬羽。2005.11.20福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【11】冬羽。2005.11.20福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【12】冬羽。2018年1月26日福岡県福岡市、和白干潟にて撮影。

【13】冬羽から夏羽へ換羽中。眉斑から額に黒みが出ている。2005.04.09佐賀県佐賀市、大授搦にて撮影。

【14】擦れた幼羽。2010.09.11福岡県福岡市、今津浜崎漁港にて撮影。

【15】間接頭かき。擦れた幼羽。2010.09.11福岡県福岡市、今津浜崎漁港にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑」
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2024/09/13作成