ブッポウソウ目
CORACIIFORMES
カワセミ科
Alcedinidae
ヤマショウビン属
Halcyon ()

アカショウビン(赤翡翠)
Halcyon coromanda (Bonaparte, 1855)  Ruddy Kingfisher
L27cm
夏鳥
平地から山地の渓流や湖沼に沿った林
【1】亜種アカショウビン。2011.6.7宮崎県川南町にて撮影。
雨の日に特徴ある鳴き方でよく囀る全身が赤褐色のカワセミ類。
■形態
雌雄同色。上面は赤褐色で、翼に赤紫光沢がある。腰の中央に水色の羽があり、飛翔時に目立つ。腮と喉上部が淡褐色で、その他の下面は橙褐色。嘴は赤く、足も赤い。 雌より雄の方が全体に羽色が濃い。
亜種リュウキュウアカショウビンは上面の紫色味が強く、腰の水色の羽は大きくて濃い。
■鳴き声
繁殖期の早朝や、雨天時に「キョロロロロ…《と尻下がりに鳴く。飛び立つ時によく「キョロ、キョロ、キョロ《と鳴く。
■採餌
枝等に止まって、地上や水面の餌を舞い降り捕る。深い水の中に全身潜る事はない。カエル、トカゲ、ザリガリ、昆虫類を主に食べる。
■繁殖
産卵期は6~7月。樹洞や、朽ち木に穴を掘ったりして営巣。通常5個産卵する。
■特徴
林の中を一直線に飛び、ホバリングはしない。
■亜種
10亜種ある。 ネーパールから中国南部、タイ南部及びミャンマー北部で繁殖する亜種H.c.coromanda、 中国北東部、朝鮮半島及び日本 ne China, Korean Pen. and Japanで繁殖する亜種アカショウビン(H.c.major)、 琉球諸島、台湾及び蘭嶼で繁殖する亜種リュウキュウアカショウビン(H.c.bangsi)、 アンダマン諸島で繁殖する亜種H.c.mizorhina、 マレー半島南部、スマトラ、シムルエ及びバトゥ諸島(北スマトラ西方)、ムンタワイ諸島(中央スマトラ西方)、リンガ島(中央スマトラ東方)、バンガ島及びブリトゥン島(南スマトラ東方)、ジャワ及びボルネオ で繁殖する亜種H.c.minor、 パラワン(南西フィリピン)で繁殖する亜種H.c.linae、 タウィタウィ島(フィリピン南部スールー諸島)で繁殖する亜種H.c.claudiae、 スラウェシ、 Talisei (北スラウェシ北東方)、レンベ島(北スラウェシ東方)、タラウド及びサンギル諸島(北スラウェシ北東方)、トギアン諸島(北スラウェシ東部と中央スラウェシ東部の間)、ミュナ及びブトゥン(南東スラウェシの東方) バンガイ諸島(中スラウェシ東方)で繁殖する亜種H.c.pelingensis、 スラ諸島 (スラウェシ東方)で繁殖する亜種H.c.sulana
■分布
ネパールからインド、東南アジアにかけて、及び中国北東部、朝鮮半島に分布。北部のものはフィリピン、インドネシアなどに渡る。日本ではほぼ全国に夏鳥として亜種アカショウビンが渡来し、琉球諸島には亜種リュウキュウアカショウビンが渡来する。
■福岡での事例
福岡では少ない夏鳥で5~8月頃見られる。
【室見川】上流石釜付近から曲渕ダムで観察されている。

【2】腰の中央に水色の羽がある。亜種アカショウビン。1と同一個体。2011.6.7宮崎県川南町にて撮影。

【3】亜種アカショウビン。2005.6.1宮崎県高原町にて撮影

【4】亜種アカショウビン。2003.6.1宮崎県高原町にて撮影。

【5】亜種アカショウビン。2019.05.08鹿児島県阿久根市にて撮影。

【6】亜種リュウキュウアカショウビン。2022.07.07鹿児島県奄美市にて撮影。

【7】亜種リュウキュウアカショウビン。2022.07.07鹿児島県龍郷町、長雲峠にて撮影。
室見川の野鳥版「デジタル野鳥図鑑《
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2022/07/30作成