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- ジシギ類は、地味な羽衣が多いシギチの中でも、さらに地味で、なおかつ開けたところにはあまり出てきません。また、人が近づくと、じっと草陰などに隠れていて、足許から急に飛ぶなど、いてもなかなかじっくり見ることができにくい種類です。
- その上ジシギ類の仲間はお互いがよく似ていて、尾羽の枚数を確認しないと決定的な識別が難しいことから敬遠される傾向が多かったように思われます。
- それでも最近はジシギファンが増えていて、識別を頑張っている方が増えてきています。
- 日本で見られるジシギ類はチドリ目シギ科タシギ属を指し、タシギ、オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギ、アオシギの5種が該当します。アオシギは他の4種とは生息する環境等が違っているので、識別で頭を悩ませることの多いジシギ類は、タシギ、オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギの4種となります。
- 日本で繁殖するのはオオジシギのみで、北海道などの北日本で繁殖し、九州でも阿蘇のような山地で繁殖しています。夏の繁殖期に繁殖地で見る時は問題ないのですが、渡りの季節には他のジシギ類と同じような環境にいることになり、識別が難しくなります。タシギは日本では繁殖しませんが、本州以南では冬鳥として越冬します。従って冬場で見かけるジシギは殆どタシギとなるのですが、南西諸島などでは他のジシギ類も少数が越冬するため、冬場のジシギ、イクオール、タシギとはならないケースも出てきます。
- こうなってくるとお手上げ状態になるのですが、一番見る機会の多いタシギは、他のジシギ類とは、外見である程度識別する方法があります。ということで、まずはタシギをしっかり識別した上で、他のジシギの識別に進む方がいいと考えます。
- ここでは、九州で見られるタシギと他のジシギ3種(オオジ、チュウジ、ハリオ)の識別を取り上げてみます。
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■まずはタシギと他のジシギ3種の基本データ
- 以下にタシギと他のジシギ3種の基本データを示します。
- これで分かるようにタシギはチュウジシギと同大で、タシギの大きさが掴めるとそれより大きいのがオオジシギかという推定(同じように小さい場合はハリオシギとなります)ができるようになります。
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タシギ
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オオジシギ
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チュウジシギ
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ハリオシギ
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大きさ
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27cm
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30cm
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27cm
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25cm
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尾羽の枚数
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- 通常14枚
- 12〜18枚
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- 通常18枚
- または16枚
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- 通常20枚
- 18〜26枚
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- 通常26枚
- 22〜28枚
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尾羽の形状
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- 中央と外側尾羽の差は少ない。
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- 外側尾羽の幅は4〜6mmで白っぽい。
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- 外側尾羽の幅は2〜4mmで黒っぽい。
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- 外側尾羽の6〜8対は短く、なおかつ羽軸だけの針状。
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その他の特徴
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- 嘴が長い。
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- 外側尾羽の幅は4〜6mmで白っぽい。
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- 外側尾羽の幅は2〜4mmで黒っぽい。
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- 外側尾羽の6〜8対は短く、なおかつ羽軸だけの針状。
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九州での観察時期
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冬鳥
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旅鳥(一部夏鳥)
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旅鳥
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旅鳥
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