1.準備 予約編

冬の北海道へ行こうと何度考えたことか。こちらでは見られない鳥が、白い雪景色とともに私を呼んでいる、そんな情景を脳裏に浮かべては、次の冬には行くぞ、この次の冬には行くぞと、決心だけはしたものの。いざ冬になると、年末年始に慌ただしく、寒さも身にしみてきて、福岡でもこんなに寒いのに、なにを好き好んでより寒い北海道へ行く必要がある?と、毎回決心をした自分に諭すようになる。北海道は北海道でも、町中ならいざ知らず、鳥見の場所は海辺か荒野。福岡の海岸でも涙が出るほど寒いのに…。その上雪道運転には自信がない。以前飯田高原でハンドルが効かず、凍結した坂道を滑って行く感触を味わってからと言うもの、その恐怖心が抜けないのだ。
ということで、今回もJALのマイレージの期限切れがあったため、年末までには予約を入れなければならず、最初は台湾や香港を考えていたくらい。海外一人鳥見も結構心の準備が必要なので、沖縄で暖かくするのも良いかなとかなり日和っていたが、これじゃいけない、どんどん北海道が遠くなると、寒い朝しがみついていたい暖かい布団をえいやっと引きはがすように、JALのサイトで北海道行きを予約をすることに。
 
ところがいつなら自分が暇か、家人や仕事に影響がないかをよく考えていなかった為、2月の月初ならいいかな?くらいで空席を調べると、4日日曜が満席で、その後も空きが少ない。雪祭りをすっかり忘れていた。で、平日ばかりでは問題があるので、1日木曜日から3日土曜日の旅程となった。2泊3日では北海道は短すぎるのは分かっていたが、1月31日の水曜日からだと、ちょっとね。
ところがJALの福岡千歳便は千歳午前着便がない。帰りも15時発の便が最後なので、2泊3日では北海道滞在が50時間しかない。朝の3時過ぎから鳥見が出来る夏とは違って冬だから、尚更鳥見が出来る時間が少ない。こりゃ多くを狙わずコンパクトにまわらなければと、思いつつも、何か目玉が欲しいのが鳥見人の常。公園で小鳥を撮って、港でカモメ類を狙おうと考えていたところへ、とさまるさんからメールが。アラナミキンクロが日高の方に出ているとのこと。日高だったらどうにか行ける範囲か?地図で見ると苫小牧から3時間くらいで行けそう。ならば一日取れる2日目にアラナミキンクロを狙うこととする。
 
苫小牧在住のトマジューさんから詳細を訊き、途中にエゾフクロウを見る事を進められる。別な場所の情報をとさまるさんから得てはいたが、キュウシュウフクロウとは違うその羽色を見てみるのも良いかなと寄ることに。
野鳥大好きさんからギンザンマシコの話は聞いていたので、以前2度も見ることが出来なかったこの鳥を今回はと思っていたが、既にいなくなったとのことでがっかり。そのかわりハギマシコが小樽に出ているよとのことだったので、そういえば小樽は旅行で1回行ったきりで、鳥見には行っていないなと思い出して、海鳥が結構見られているところなので最終日は小樽も良いかなと決定。あるふぁさんから情報を得て、ケイマフリ、ウミガラス、ハシブトウミガラスなどを狙うことに。
初日はレンタカーで動き始めるのが14時以降になるので、日暮れの早い北海道では殆ど鳥見が出来ないと考えて、E崎さんのいるウトナイサンクチュアリに顔を出すくらいで、その辺で小鳥が撮れればいいかなと決定。
 
と、日程は大体出来たところで宿を探すことに。当然のように出来るだけ安くて、綺麗で、気持ちよく過ごせて…。と、調べようとしても、めんどくさくてあまり気乗りがしない。結局朝おにぎりとみそ汁サービスの苫小牧の東横インを選ぶことに。ここで2連泊を考えていたら、金曜日の夜が空いていない。仕方なく金曜日は札幌駅北口の東横インを予約。レンタカーは前回やすかったジャパレンで、いつも通りヴィッツクラスを予約しようとして、ふと手が止まった。一人だし、車内では寝ないので軽でも良いなと。と言うことで今回初めて軽自動車をレンタル。一応冬の北海道は初めてだったので、タイヤについて電話を入れ、もちろんスタッドレスと言われてホッと安心。というか、当たり前だよね、ノーマルタイヤの車なんか貸したら事故だらけでしょう。
これで日程、宿、足が確定。ここで問題になるのが防寒対策。以前冬の軽井沢へ行った時にMontbellであつらえた雪山トレッキングの一式があり、一応亡き義母から頂いたタイツがあるので、寒い冬の鳥見には使用していたのだが、これだけでは心許ないような…。そうこうしていたら調査会社のO杉さんが、防寒肌着は暖かいと太鼓判を押すし、耳あてもいるとのこと。確かに冬の玄界灘でずっとカモメを見ていると、涙も出るけど耳も痛い。
 
必要だとは分かっていても、あまりお金をかけたくないので、アウトドア用品店で買わずに、その辺で何か良いのはないかと探してみることに。いくつか回るが、どれもこれも、普通の厚手の肌着という感じで、かといってそう安くない。じゃあ一応Montbellにも行ってみるかと、小戸公園の横を車ですーっと飛ばしていたら、対向車がパッシング。げっ!とブレーキを踏む。歩道のカーブしたところにネズミ取りの装置が見える。メータを確認。多分大丈夫、大丈夫と、そろそろ進み、取り締まりの警察官の前を通過。
ほっと、して…。ほっとして、気が大きくなって、反則金払わなくてすんだんだから、高くてもMontbellの防寒肌着買った方が良いと決定。ついでに何かカッコウ良い耳あても購入。
これで防寒対策も完了。あとはパッキング。今回はデジタル一眼も持っていくので、カメラマンバックに300mmのレンズとデジタル一眼を入れて背負い、小型スーツケースにスコープと三脚を入れて引っ張ることに。GITZOの三脚はオーストラリアに鳥見で行く時に、スーツケースに入る長さと言うことで買ったものなので、こういう時は悩まずにすむ。
 
2月1日(木)
0800自宅発
1050福岡空港発JAL3511便
1305千歳空港着
1400レンタカーを借り千歳発
1415青葉公園着
1530青葉公園発
1630ウトナイサンクチュアリ着
1700ウトナイサンクチュアリ発
1800東横イン苫小牧駅前着泊
 
2月2日(金)
0730苫小牧発
1030えりも着
1200えりも発
1500苫小牧着
1630苫小牧発
1800東横イン札幌駅北口着泊
 
2月3日(土)
0730札幌発
0800小樽着
1200小樽発
1300千歳着レンタカー返却
1500千歳空港発JAL3512便
1735福岡空港着
1900自宅着

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