野 鳥 ニ ュ ー ス
Vol.9 No.03

2009年01月16日発行

発行:室見川の野鳥

雪の山陰 

ハクチョウ&トラブル騒動記! 

今年初ライファーのナキハクチョウ。

舗装道路を横切るコハクチョウの若い個体。

週末は出張中なので早い更新です!トホホの話ですが読んでやってください。
 
山陰へ行って来ました。夜宿に着いた時には、街中には道路の端などにチラホラ雪が残っている程度だったのに、朝起きると、ゲッ!車のボンネットに5cm以上の雪が積もっているではないですか!フロントで尋ねるとノーマルタイヤで走る人はいないとの事。
それで初めてチェーンを取り付ける事に。時間はないのに、なかなか上手くいかない。こういう時は笑顔を絶やさずにとコミック「風の大地」に教わったが、行き交う通勤の車、人、登校中の小中学生の注目を全身に浴びているような気がして、上手く笑え無かったです、はい。
チェーンをやっと着けたものの、道は通勤と降雪による渋滞。予定より2時間も遅くなって現地着。しかし目指す相手はいない。先程飛んでしまったとの事で、朝食も摂らないまま、周辺を大捜索。飛んで行くコハクチョウを追いかけては、そこにはいないを繰り返す。

やっと目的のハクチョウの群を見つけた時には既に11時。ゲッ!あと2〜3時間で帰らなくてはと思ってさっと撮ろうとしたが、100羽以上いる群れの中を見ても目指す相手は分からない。コハクチョウ達は水の入った田圃や泥濘の田圃で、頭を下げて餌を取っている。時折頭を上げても、嘴から顔が汚れていて、ガタリンピックの選手のようで、少しもあの「白鳥の湖」の高貴なイメージがない!舗装道路をカルガモのように歩いて田圃から田圃に渡っているのもいる。今津で言うところのオオバン状態だ。
やっとの事で目的の鳥らしきものを見つけたものの、なかなか頭を上げてくれなくて特定出来ない。コハクチョウに比べてデカイからすぐ分かると思って来たものの、餌採りで忙しく群れが動いているとなかなか分からない。
どうにか目的の鳥、ナキハクチョウ確認!今年最初のライファーとなりました、パチパチ!でも、汚れていてちょっとががっかり。やはり水の上に浮かんでいる姿が見たかったな、等と思いながら、ナキハクチョウの動きに会わせて車を動かそうとしたら、ん?エンジンがかからない。再度イグニッションを廻してもスガガガと言うだけ。げっ!バッテリーが上がった!
それで保険会社の24時間レスキューに電話。詳細な現地の説明をする時にカーナビが止まっているから地図がない!えーっとハクチョウの群の前です、ああ本当にハクチョウの鳴き声がしていますね(ハクチョウの鳴き声をオペレーターが知っているの?なんて突っ込みはなし)、なんて会話をしてレスキューを頼む。
レスキューが来るまでの30分。ウインドウが閉められない車に乗っていても仕方がないと、他に誰もいなかったので道路からナキハクチョウを撮る事に。でも、気持ちが鳥見にならない。雪の積もった田圃の真ん中でバッテリーの上がった車と、ハクチョウの群と私。空は鈍色。ハクチョウの鳴き声にツグミ、ハクセキレイ等の鳴き声が混じり…。
レスキューにバッテリーを充電して貰い、ついでにチェーンでこのまま走った方が良いか、外した方が良いかと尋ねる。もう平地は殆ど解けているので、いったん外して必要なところで着けた方が良いと言われる。それで、今度はハクチョウの群の前でチェーン外し。解けた雪と泥が混じった冷たい大根おろしのような中で軍手が凍みていく。あのハクチョウ達はバッテリーの充電の仕方、チェーンの外し方など初めて学習したに違いない。そして、時間オーバー。後は他には何処にも寄ることなく帰路を急ぐ私であった。トホホ…。アッ!結局一度もナキハクチョウの鳴き声を聞く事ができなかった!

亜種アメリカコハクチョウもいました。右の嘴が殆ど黒い個体です。