室 見 川 の 野 鳥 ニ ュ ー ス
室見川の野鳥ニュース
週刊 第4巻第5号
2004年2月1日発行
発行:室見川の野鳥

今津二つ池のマガンが心ないハンターに撃たれて落鳥!!!

※2004.2.3赤字追加訂正

前日の元気だったマガン若。
1月31日午後2時前、黄色いカバーを被せたボート黄色いゴムボートをルーフに乗せた、一台の小型乗用車(軽自動車と思う)軽自動車に乗った二人組によって、車から発砲されて、今津二つ池のマガン若は命を落としました。至近距離(どう考えても10m前後)からの発砲で、見間違えによる誤射とは考えられません。私自身は発砲の瞬間を見ていないのですが、事件前にその車とすれ違い、事件直後に現場へ行きました。生まれて初めて110番通報をして、警察を呼びましたが、二人組の車は当然そこにはなく、それ以上のことはできませんでした。
このマガン若は11月下旬から二つ池に居着いて、オオバンやカモ達を従えて道路で餌を採ったりして、愛嬌のある個体でした。先日コーナーに8羽のマガンが現れたとき、合流するのかなと思いましたが、そのまま昨日まで元気に二つ池にいました。
なんで、狩猟鳥でもない天然記念物のマガンを撃つのでしょう?

落鳥した姿。顔が見えてないのが救い。

イラクに派遣される自衛隊の武器の携帯や使用に関してはあれほど国会などで議論されているのに、今津の二つ池という、玄陽光校裏の民家からほど近い、鳥見はもちろんのこと、散歩や、釣りの人がいつもいるような場所が、禁猟区ではないという理由で発砲ができる事の不自然。狩猟も趣味の一つとして現在は法的に認められるものではありますが、イマイチ釈然としません。このところ今津は面白くなっていたところだったのに、この事件で一気に心が寒くなってしまいました。
 
そんなことがあった今津ですが、河口ではトモエガモの群れはまだ健在で、ツクシガモの数が20羽近く見られるようになっています。水処理場用地内ではタヒバリの他に顔の赤くなったムネアカタヒバリの姿も見えました。ただし、すぐに飛ぶので撮影はお手上げです。

動き回るムネアカタヒバリ。撮れない〜!

コチドリと一緒に行動しているオジロトウネン。

また、コチドリが4〜8羽程で群れていて、その中にオジロトウネンが1羽が混じっていました。越冬期にオジロトウネンを見るのは初めてで、綺麗な冬羽です。
マガンのいなくなった二つ池ですが、背後の木にはオオタカ若の他、ハイタカも止まるところ見られました。それにハイイロチュウヒ♀と思われる個体が飛んでいるのも見られました。ハヤブサ、ミサゴ、トビはよく見られますが、今津の上空は要注意です。
さらに、二つ池の芦原でヨシゴイが見られています。私はヨシゴイ成鳥は飛んでいる姿しか見たことがなくて(サイパンではちゃんと見ましたが)、是非見たいと昨夏何度も通いましたが、幼鳥を一回見ただけでした。やっと今回じっくり見ることができました。しかしこの時期なんで今津にいるんでしょうね。繁殖した個体がずっと居着いているのか、もっと北から越冬で訪れているのか?

東の方からは久々にアビの情報が入りました。アビ類は換羽時期一時飛べなくなることがあり、安全な湖沼やダム湖等で過ごすことがあると聞いていますが、羽ばたいたところを見た感じでは三列風切が脱落しているように見えます。
通常の棲息地である海上では、見つけることができてもなかなか至近距離で見ることができないだけに、赤い目までちゃんと見え、非常に嬉しい鳥見ができます。陸上に上がるところも観察したのですが、脚がお尻の方にあり、全く立つことができないのでしょうか、腹をこすりながらずりずりとゆっくり上がってきました。飛べないわけですし、陸上ではほとんど動けないわけで、完全に無防備な状態です。大丈夫かな?と心配になりました。
 
さて今日から2月です。出水のツルの北帰行が始まっています。また寒波が復活するのでしょうか?

やっと見ることができたヨシゴイ。

久し振りに見たアビ若。